5月1日、第2回コモンミールがありました。第1回コモンミールの記事を読んだ方はおわかりかもしれませんが、コモンミールとは寮生のほとんどが参加する食事会のことです。コモンミールの食事を作る人をクック、クックのお手伝いをする人をヘルパーと呼びます。これはレジデントの大事な役割の一つです。 私は今回、クックとしてアイスクリームを20人分作りました。人生であんな大量のアイスクリームを捏ね繰り回すことは、そう多くはないと思います。しかし今回のコモンミールで一番印象的だったのはアイス作りではなく、あるレジデントのコメントでした。 HdBには様々な食文化を持つ人々が住んでいます。コモンミールではベジタリアン用のメニューもいくつか用意されるようになっています。私はこれはとても大事なことだと思うし、多様性を尊重する方法だと思います。しかし、今回のコモンミールまで、私はベジタリアンメニューをなにか、人ごとのように考えていたのかもしれません。 そう感じたのは今回のコモンミールで、そのレジデントのコメントがあったからです。彼女はベジタリアンです。「抹茶って苦いのばっかりで好きじゃなかったけど、これは甘くておいしい!」と言って、私の作ったアイスをパクパク食べてくれました。私はその時ふと「抹茶アイスってベジタリアンメニューなんか」と思いました。そして「抹茶アイスがベジタリアンメニューでよかったな」とも思いました。 私が抹茶アイスを選んだのは単純に食べたかったからで、抹茶アイスがベジタリアンメニューだという発想はありませんでした。なんとなく肉料理を作る時はベジタリアンメニューに配慮するルールは身についていたものの、その意味を深く考えてはいませんでした。でも今回「それは一緒に楽しむためなのかもしれない」という実感を得たのです。あぁそうか、ベジタリアンメニューのおかげで私たちは「これ、おいしいよな」って言えるんだと。 HdBは私にとって、そういう小さな-それ故に見落とされがちではあるけれども、極めて重要な-価値に気づくことができる場所です。コモンミールはそのHdBのイベントの中でも、最も身近で開かれたイベントです。次回のコモンミールを心待ちにしています。 Read more →